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 治療のガイドライン

■ 顎関節症ガイドライン


【顎関節症症型分類】

I型:咀嚼筋障害 masticatory muscle disorder
  咀嚼筋障害を主徴侯としたもの
U型:関節包・靱帯障害 capsule-ligament disorders
   円板後部組織・関節包・靱帯の慢性外傷性病変を主徴侯としたもの
V型:関節円板障害 disc disorders
   関節円板の異常を主徴侯としたもの
   a:復位を伴うもの
   b:復位を伴わないもの
W型:変形性関節症 degenerative joint disorders, osteoarthritis, osteoarthrosis
X型:その他,I〜IV型に該当しないもの


1.治療対象と治療目標
1)治療対象
最大開口域については35mm未満とし、疾病および顎関節症症状に起因する日常生活支障については「なし」、「軽度」、「中等度」、「重度」の4段階に分けて治療の対象とする。

2)治療目標
最終治療目標は最大開口域40mm以上で、疼痛と日常生活支障は「なし」とする。また最大開口域35mm以上で、疼痛と日常生活支障は「軽度」であれば経過観察とする。
2.治療方法
I型・U型・V型・W型
 @薬物療法(非ステロイド性消炎鎮痛剤)
 Aスプリント療法
  症状(症型)に応じた各種スプリント
 B理学療法
  TENS、顎運動訓練・悪習癖是正等
 C咬合改善治療
X型
 @薬物療法
 Aカウンセリング


現在、顎関節症が適応症となっている中枢性筋弛緩剤はなく顎関節症I型は頚肩腕症候群に類似した症状を呈しているにも関わらず中枢性筋弛緩薬の投与ができないのが現状。マイナートランキライザーについても現時点では顎関節症で適応症が認められていません。結論的に述べますと鎮痛消炎剤以外は投薬し難いということになります。



顎関節液の分析により顎関節症には炎症が関与していることは明かとなってきています。従って、疼痛に対しては鎮痛消炎剤は有効な薬だと考えられます。
咬合改善治療は補綴治療、矯正治療、咬合調整などが含まれますがスプリント等で症状の改善が得られ、下顎位の安定が確認された後に必要に応じて慎重に行います。

3.顎関節症におけるスプリント
顎関節症の治療に用いられてきたスプリントは健康保険上では、「咬合挙上副子」に準じて請求されてますが顎関節症の治療と咬合挙上とは必ずしも関連性がないので「咬合挙上副子」としない方がいいでしょ。また、巷でよく混同して使われるマウスピースとは全く別物です。


1)定義
スプリントは歯列咬合面を被覆する暫間的可撤性の口腔内装置であり、顎関節症の診断と治療に用いられる。その種類にはスタビライゼーションスタイプやリポジショニングタイプ、レバレージタイプなどがある。
@スタビライゼーションスプリント
均等な咬合接触を付与することで下顎の安静を得ることを目的とし、上下顎歯列のいずれかの咬合面全体を被覆する全歯列型スプリントである。異常(症状を現す)咬合からの解放を促進し、咀嚼筋の安定を得る。
そして下顎頭と下顎窩との関係を修正する。また、顎関節部への負荷を軽減する。
Aリポジショニングスプリント
下顎頭や関節円板の位置を整位するためのスプリント。通常、下顎位を前方位で固定する前方整位型スプリントがもちいられる。スタビライゼーションスプリントに比較して下顎位の変化が起きやすい。
また、前方位をとることにより咀嚼筋(特に外側翼突筋)の負担が増加する場合がある。

2)目的
@スプリント療法は顎口腔機能異常の診断治療に用いられる。またスプリント療法は咬合治療に属し、暫間的な咬合治療として用いる。
A異常な筋活動の是正、神経筋機構のバランスの回復、筋緊張の緩和を目的に使用される。
B下顎窩における下顎頭の位置を修正し、顎関節の安定と安静により顎関節症状を改善する。
下顎頭の位置修正は下顎骨自体の位置修正に繋がり、頭蓋骨と下顎骨の位置値関係を適正な状態にし、それは筋骨格系の頭部重心の修正にもつながり、体幹の重心補正にもつながり身体の中心軸と重心軸の平衡性を保つようになり頸椎特に歯椎への負担を軽減し、整直化に繋がり、ひいては不定愁訴の改善にも繋がる可能性がある。
C顎関節への負荷を軽減する。

4.スプリントの調整
装着時点で適正な咬合が得られることは少なく、スプリントを経時的に患者の機能や症状を掌握しながら咬合調整が行われる。 また、失われた患者固有の咬合の回復には患者の咀嚼習慣、習癖を念頭に自他覚的症状の改善を確認しながらスプリントの削合や即時重合レジンの添加を行って調整する。
●スプリント作製時の咬合採得
大きく3種類に分けられますが、咬合調整が数回行えば、殆ど同じ顎位になるはずです。
1.現咬頭嵌合位で咬合採得
2.リーフゲージを使用して咬合採得
3.マイオパルス下で咬合採得
●使用上の注意事項
1.開始期と、できれば2,3日後に咬合調整と経過観察。以降は1週間から10日毎の咬合調整と経過観察。
2.咬合調整と経過観察のないまま長期にわたる使用はしない。
3.下顎位や咬頭嵌合位の変化が起こることがあるため、術前の咬頭嵌合位を診査・記録しておく。
スプリント調整はほぼ同じですがマイオモニターを使用する場合、下顎運動に不随意タッピングが追加されます。
『不随意タッピング→随意タッピング→偏心運動時の調整→左右のTA/MMのバランス調整を行う。』
 @TENS
 A咬頭嵌合位でのタッピングによる早期接触の除去(Myopulse下)
 B偏心運動時の後頭干渉、咬合干渉の除去
 C左右のTA/MMのバランス調整の為の咬合調整

5.スプリント療法の治療効果判定
下顎頭を顆頭安定位に戻し下顎運動の正常化を目的とするのですが、適切なスプリントの調整により比較的早期に頸肩腕症状の改善が見られます。逆に言えば、この治療で不定愁訴の改善が見られない場合は歯科とは関係なかったと考えてよいと思います。
スプリント療法(CMO療法)は暫間的咬合治療であり、数度の調整あるいは3ヶ月間程度で改善の見られない症例は速やかに高次医療機関へ対診を仰ぐ。
高次医療機関では症状により画像診断・顎関節鏡検査・顎関節腔洗浄などが行われる。
参考:CMO療法
スプリントを介して頭蓋骨に対しての下顎骨を位置づけをする治療で、身体の一番上にある頭蓋骨自体の歪みや頭部重心の是正を行うことで筋骨格系、ひいては脈管神経系や代謝系に影響を及ぼす可能性がある。


■ 咬合と全身

成人の頭蓋骨は通常28個の骨から構成される。下顎骨を除いて、頭蓋の骨格はすべて縫合によって互いに連結されている。縫合は接している骨の移動をほとんど許さない厳密な接合であるが、呼吸等によって微妙に前後方向や側方に動く。

歯科においては、特に咬合の変化は下顎骨の位置移動を伴うが、それに随伴して頭蓋骨も微妙に移動する。


例えば、何らかの原因で右側の咬合が低位咬合になると下顎頭顆頭安定位からズレて後方へ移動する。その移動は上顎骨、蝶形骨、側頭骨、後頭骨を微妙に回転移動させる。特に蝶後頭軟骨結合までに影響が現れると頭部から全身に波及していく。
下顎の変位は頭蓋骨から歯椎を介して骨格型に捻れや歪みを生じるようになります。
単なる噛み合わせの不具合から頭蓋骨の左右前後の骨に歪みや捻れをを伴う僅かな変形が、後頭骨と接する環椎に影響を与え、その代償補正は頸椎、胸椎、腰椎、骨盤、膝と波及していくのは容易に推察できます。


完全直立二足位(安楽立位)は人の身体が骨格的にも筋肉的にも一番安定した姿勢で、垂直に立った時に最もリラックスして立て、骨格で姿勢が支えられ筋肉は必要最小限で支えます。このとき、下顎は顆頭安定位にあり安静空隙をキープしていることが重要です。重力に対して頭のバランスをコントロールしている下顎位のズレ(アゴのずれ)による頭部重心のズレは筋肉・骨格バランスに変化を来します。不良姿勢では下顎を正しい位置に置き安静空隙を作るのは難しいでしょう。また、下顎位の変位は頭部バランスだけではなく頭蓋骨を歪め、脊椎、骨盤を歪めていくことにもなります。
頭部傾斜が15度で約2倍、30度になると約4倍、60度になると約6倍の負荷が頚部にかかると言われています。




下顎骨の内側には舌骨が存在し、その後方には第3頚椎が存在。これらはお互いに相似的な関係で、第3頚椎が後方に偏位を起こすと、続いて舌骨と下顎骨が同様に偏位する。その逆に下顎が後方へ変位すると舌骨もそれにともって変位し、後方の頸椎に何らかの影響を与える。
舌骨は頭蓋骨、下顎骨、胸骨、肩甲骨に舌骨上筋群、舌骨下筋群を介して結ばれ、開閉口運動に関与し、嚥下、発音等の顎運動や頸椎に及ぼす影響は非常に大きい。
舌骨と各骨とを結んでいる各筋肉群の緊張或いは各骨の歪みは舌骨の位置を偏位させ、或いは舌骨に捻れや歪みを生じさせる。やがて気道を狭くし喘息、いびき、舌下垂症候群などの原因ともなります。また、舌骨下筋群の活動により舌骨を喉頭へ近づけ、喉頭口の閉鎖が生じ、嚥下咽頭期が形成されます。

現実は顎のズレを修正し、その下顎位で咬合再構成を図ることで姿勢が改善される。或いは不定愁訴が改善される。事もありますが、咬合再構成を図っても、あまり変化が見られなかった!ということもあります。
これが咬合が身体の不調を改善する学術的根拠がないと言われる由縁でしょう。

CMO療法を行えば不定愁訴の多くは消失しなくともかなり改善されると直感的に思う症例に出くわすことも事実です。頭痛、頚肩部の凝り、腰痛、背部痛、五十肩、四十肩、呼吸がしづらい、手足のしびれやだるさ、のどの奥の違和感、耳鳴り、イビキ等、外科的なものから内科、婦人科、呼吸器科等々に当てはまる幅広い症状で、原因不明と言われる症状は歯科で改善されるかもしれません。
例えば、TCHはTMJや咀嚼筋の負荷となりTCHが続く頚肩部の凝りや頭痛の原因となります。TCHの是正でそれらが治る場合と治らない場合がありますが、治らない時はその他にそれらの症状の原因があるということになります。医学は身体の全てを理解されていないのが現実です。



不定愁訴の自覚症状がない状態を不顕性不正咬合。自覚症状のあるものを顕性不正咬合。このときの治療指針は顕性不正咬合であれば不顕性不正咬合にし、そして不顕性から正常咬合に誘導すると言うことになります。では正常咬合とは何かと聞かれれば歯牙・筋肉・顎関節の調和したものとなります。つまり三位一体です。姿勢で言えば、視線は水平で踵、お尻、肩(肩甲骨)、頭(後頭部)が壁にピッタリ付くのが理想です。
ここでのポイントは警告反応期、抵抗期、疲弊期です。警告反応期は下顎頭が顆頭安定位からズレだした時期で関節雑音や開閉口運動障害、咬合痛などが挙げられます。抵抗期では徐々に症状が落ち着き下顎頭がズレた位置でできる限り機能しようとしている時期です。そして疲弊期では口が全く開かない。下顎が動かない。TMJ組織が破壊され、頭蓋骨の歪みは固定化され、その歪みは首→肩→背中→腰→膝へと影響を及ぼし、元の状態に戻る可能性は低くなります。



この症例は三位一体を図った咬合治療で頭部の回旋や頸椎の傾斜等は改善される可能性がります。
そういう意味から抵抗期に相当するのかもしれません。


この症例は多くの不定愁訴を抱えた症例です。
咬合平面は傾斜し、頭蓋骨の右側と左側で左右差が表れ、上顎骨や側頭骨、後頭骨が歪んで可能性があります。
咬合平面の水平化は不可で、咬合治療となると、更に悪くならないように現状維持を兼ねた治療となるでしょう。また長期間に及びますが骨組織のRemoldingを期待した治療になるでしょう。



この症例はCMO療法の術前術後のキネジオグラフと筋電図そしてレントゲンです。
キネジオグラフの上段は矢状面から見た開閉口運動。次が下顎安静位から咬頭嵌合位のグラフです。
Beforeは安静位から歯牙接触位から下顎が後方へズレて咬頭嵌合位に入ります。
Afterでは安静位から咬頭嵌合位、そして前方運動がスムーズに動きます。

筋電図でもBeforeでは緊張状態、特に側頭筋の過緊張が見られ、下の気味締めではうそくの側頭筋が殆ど活動していませんが、Afterでは左右咬筋、左右側頭筋、そしてその前後比は健康状態に近いものになっています。

下のレントゲンでは頭蓋骨も傾き、捻れ。歯椎の歪み、ストレートネックはAfterでは改善されています。

この治療では頭蓋骨の歪みやストレートネック、歯椎の歪みを取り除くために治療したのではなく、歯科的問題点を解決した結果のレントゲン像です。
勿論、術前の不定愁訴は不定愁訴は改善されていますが、これは下顎位の変位による頭蓋骨や頸椎の歪みねじれから生じたと思われます。もしか顎位が修正されなかったら不定愁訴の改善はなかったと考えています。


■ アゴズレのチェック

@ 鏡で各パーツをチェック
完璧な左右対称の顔はないの気にする必要はありませんが、該当箇所が4箇所以上ある場合は要注意
□ 頤隆起が左右どちらかにズレている
□ 下顎隅角部(エラ)の左右の高さが違っている、または見え方が違っている
□ 左右の法令線の形、深さ、長さが違っている
□ 口角がどちらかに傾いている
□ 上下の前歯を軽く咬み合わせた時、それぞれの中心が大きくズレる
□ 鼻が曲がっている
□ 左右の鼻の穴の大きさが違っている
□ 左右の目の大きさが違っている
□ 眉毛の位置がずれている頬の幅、高さが違っている
□ 笑った時、口角の高さが違っている、唇の形が歪んでいる
□ 身体全体を映した時、首が方の中央にない。肩の左右を結ぶラインが水平ではない。
A アゴの動きをチェック
二つ以上当てはまるものがあれば、アゴズレがあり動きが悪くなる。アゴの正常な動きは左右で20〜30mm、前後で10〜15mm、縦40〜60mmの幅になります。
□ 口が開けにくい
□ 口を開けると痛い
□ スムーズに開かない
□ 真っ直ぐ開かない
□ 口を開けたり閉めたりする時に雑音がある
□ 下顎を前後左右に動かした時スムーズに開かない
□ 下顎の前後の動き、左右の動きにそれぞれ差がある
□ 両手の指でTMJに触れ、その状態で開閉口した時に左右差がある
□ 頬の内側や舌を噛んでしまうことがある
B 頭部の動きのチェック
□ 頭を前後左右に動かした時にアゴ、首、肩に痛みがある
□ 変な音がする
□ 周囲の筋肉が凝っている首を傾けた時左右で差がある
□ 首を回して振り向く時、左右で差がある。

@で四つ以上、ABで各二つ以上でアゴズレの可能性があります。アゴズレつまりTMDとなりますが、多くの患者さんは顎関節症自体に無知なことが多く、仮に不定愁訴があったとしても、それらが歯科とは無関係だと思っているこことが非常に多いです。その中でも、噛み合わせを治せば不定愁訴が改善されると考えて来院される患者さんも見られます。咬合が身体の不調を改善する学術的根拠がない現在、歯科医が噛み合わせを治せば解決できるとは言い難い状況であります。また、咬合治療をしてもよくなる症例やよくならない症例もあります。
歯科医は不定愁訴を治すために治療するのではなく、歯科的問題があるからそれを解決するんであって不定愁訴が第1の目的ではないことを肝に銘じる必要があると思います。


多くの先生方は咬合治療となると難しくて二の足を踏むようですが、決して難しいものではありません。
先ずは、TCHの是正、口呼吸から鼻呼吸へ、姿勢のチェック。それだけでもかなり改善されます。そしてスプリント治療を行えば、自ずと答えというか道は開けていきます。
先ずはやってみて、いろいろ経験することが大事だと思います。


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