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人の口腔の一生における歯科的アプローチよる健康管理について

 最近、QOL(Quality of Life)を言われて久しい。このQOLの意味することを考えると、
 ●動けること
 ●意志を伝えること
 ●人間の一番大きな欲望である「食物摂取」、つまり咀嚼
 この3条件が「死」に至るまでの必要条件と考えられます。歯科領域ではこの3条件の一つである咀嚼に大きく関与しています。この3条件の一つでも欠けたら人生の質を追求できないと思われます。まして、楽しく充実した一生を完遂できないと考えられます。そのような状況下で、患者たちの福祉と健康を守るために、口腔内だけでなく、顎顔面、頚肩部そして筋骨格系、全身に影響を及ぼす可能性のあることも含めて「歯を削って詰める。歯のないところに義歯を入れるだけが歯科治療ではない」と言うことを啓蒙して行かねばならないと考えます。
 歯はいずれ悪くなると言う仮定のもとで、患者各自のPDDCプログラム(Personal Dental Desease Contorol Program)を作成し、患者が理解し、実行し、歯科医がプロフェッショナルの立場から協力歯、二人三脚で歯科的健康の増進と維持をしていかねばならないと考えます。
 
 しかし、臨床の場に於いては、ある患者は、歯性が悪いので、いずれは歯槽膿漏で全部歯を抜き総義歯になると考える。現実に多数のカリエスや口腔内には歯石がびっしり付き、口臭が強いにもかかわらず、患者自身は「痛みがない」と言うことで、「悪いところはない」と平気で言う。又、ある患者は、歯原性不正咬合によるTMDを発症し、原因不明の不定愁訴に見まわれ、その為に鬱傾向を示す。しかもTMD患者の多くは歯科医院へ行くのではなく、整形外科、耳鼻科、鍼灸院などへ行ってしまう。又、ある患者は不完全な根管治療等の為に歯性病巣感染を起こし、体調不良と付き合っている。・・・・・このような患者の多くは、その症状の殆どが歯科医院で改善されるということに気が付いていないのです。
 開業歯科医は毎日の臨床で、乳歯列期・混合歯列期〜無歯顎までのあらゆる年齢層の患者を診ます。結果的に人の口腔の一生が、毎日の臨床の中で見られるのです。
 ここで日常臨床で各年齢層並びに口腔内の状態を診て、私自身が注意している項目を述べさせていただきます。 
 
 人の口腔の一生を、出生から小学校入学前までは乳歯萌出より乳歯列完成の時期迄を第1期。小学生時代の乳歯列混合期を第2期。中学生、高校生時代を永久歯の石灰化による本来持っている各硬組織の硬度に到達する時期としての永久歯列完成の時期を第3期。永久歯列維持期を第4期。そして、歯牙がいろいろな理由で抜けていく時期を崩壊期としての第5期。無歯期を第6期と大きく分けます。
 不正咬合または病的咬合の要因としての下記4点が後々大きな問題(図ー1)を引き起こすと考えます。
 1)下顎の偏位
 2)咀嚼筋の不調和
 3)咬頭嵌合位の中心性の変化
 4)早期接触・咬頭干渉・咬合干渉
 第1〜6期にかけて常に上記の事柄に付け加えて、Plaque Contorolは画一的なものでなく、各期に応じたもの必要であります。

(図ー1)


第1期 乳歯萌出より乳歯列完成の時期
 正しい咀嚼・嚥下機能を学習していく時期であり、心身の正常な成長の基礎になる重要な時期であります。また、この時期の咀嚼筋の作用は側頭筋主働型であります。
 口腔機能の発育に悪影響を及ぼす悪習癖は無くすと共に良い摂食習慣を身につけさせることが重要と考えます。
第2期 乳歯列混合期
 永久歯の交換作用が円滑に、正常になされなければならない時期であります。正しい口腔衛生習慣を身につけさせ、歯列の正常な発育(咬合誘導の実施)を促す大切な時期であります。又、この時期は6歳臼歯が萌出し、側頭筋主導型から咬筋主導型に移行していく為の大切な時期でもあります。更にTMJの関節窩が凹弯をなしていき、成人に近い形態を成していきます。つまり、TMJの正常な発育に重要な時期であります。
 咬合誘導と共に下記のことに注意しなければなりません。
 1.上顎骨と下顎骨の調和
 2.顎骨と歯牙の調和
 3.上顎歯牙と下顎歯牙の嵌合の調和
 4.正中線の一致
 第1,2期に共通して言える事は悪習癖及び口腔筋機能に異常があれば、悪習癖を矯正しOral Myofunctional Therapyの実施も重要なことと考えます。
第3期 永久歯の石灰化による本来持っている各硬組織の硬度に到達する時期としての永久歯列完成の時期
 弱い永久歯を強化し、一生自分の歯で咀嚼していくための基礎になる時期であります。又、スキャモンの身体系成長曲線における第2成長期(12〜18歳で成長量は約40%を示す)であり、骨格系にインバランスを起こす可能性があるので不正咬合者であった者には特に注意を要し、ここで一生の姿(有歯のまま或いは無歯になるか、更に口腔に対する価値観等)が決定される時期と言っても過言ではないでしょう。
第4期 永久歯列維持期
 この期間を長く維持し、できれば歯牙を一本も喪失しないで一生を終われるように努力する時期と考えます。

(図ー2)


 しかし、歯周病は予防できてもコンタクトの磨耗、咬合面の咬耗は避けることはできません。更に、それらによる歯牙の近心傾斜、低位咬合、早期接触、咬頭干渉、咬合干渉及び外傷性咬合等が考えられます。しかもそれらによるいろいろな弊害も十分に考えられます(図ー2)

(図ー3)


その為にも、咀嚼筋・顎関節・歯牙等顎顔面にも目を向けることが大切であります。そして、体幹軸に対する頭蓋の位置関係。頭蓋と下顎の位置関係の変化による頚椎のズレ。やがて脊椎
全般、更に骨盤、全身へと及んでいく可能性のある弊害も十分に考慮すべきと考えます(図ー3.4)。


(図ー4)   
 実際、CMD(TMD)患者にCMO療法(Cranio-Mandibular Orthopedic Treatment)を施術することによって、関節雑音の解消又は緩解、開閉口運動時の引っかかりの解消又は緩解、TMJ部の疼痛の解消又は緩解以外に、慢性頭痛、首・肩のこり、目眩、耳鳴りの軽減或いは解消。時には脊椎側湾症の矯正すら見ることがあります。
 それらの因果関係は研究者に任せるとしても、それらは事実であります。逆に述べると咬合を考慮しない歯科治療は上記の事実を更に憎悪させるという諸刃の剣になることを肝に銘じておかねばなりません。
(図ー5)


以上のことに付け加えて、社会でのしがらみによるストレス等による心身の疲労には計り知れないものがあります。ライフスタイルの変化によって、各自の口腔内の様相が変化する事にしばしば遭遇します(図ー5)。
 例えば、生活環境が悪くなれば、口腔内の状況は悪くなり、生活環境が良好であれば口腔内の環境は良い。これは、神経間を連絡するのはドパーミン、エンドルフィン(快楽のホルモン)、アドレナリン(恐怖のホルモン)、ノルアドレナリン(怒りのホルモン)等であるが、これらホルモンの生成バランスが崩れ、自律神経失調等、神経系統に障害が及ぶ。やがて全身に影響を与えるホルモンのバランスも崩れてきます。この原因として、精神的悪影響は否定できないものであります。
 脳は元々、動物が自由に動くための神経が集まってできた器官なので筋肉の収縮と深い繋がりがあります。筋肉を収縮させるのは骨格筋ですが、その一部に感覚神経のセンサーが糸の様に巻き付いた筋紡錘があります。筋紡錘が筋肉の収縮程度を感知すると、その感覚情報は脊髄から脳に伝えられる。特に大脳新皮質の感覚野に伝えられ、Feed Backされて筋肉の収縮を調節します。この時、筋紡錘からの情報は脳幹のA・B神経系にも伝えられます。
 A・B神経系が刺激され、活動が活発になればなるほど脳全体が大きく刺激を受けます。中でも前頭連合野の活動が活発になります。そして、?エンドルフィン・副腎皮質刺激ホルモン・ドパーミンが分泌され心身共にストレスに強くなり、心は気持ちよくなってきます。(図ー6)


(図ー6)
 もう一つは咀嚼であります。ものを噛むのは咀嚼筋ですが、特に咬筋は大腿筋や腹筋と並んで人間の中では強い筋肉であります。
 つまり、咀嚼することによって脳全体の活動が全身運動時と同じように活発になり、更に味覚を通じて脳を活発にするのであります。
 開業歯科医も患者も顎口腔系の健康面のみに注意するのではなく、真の信頼関係を勝ち取り、長い人生を心身面でも健康に過ごすために、人生はプラス思考・言動で楽しみながらリラックスし暮らすように努力することによって心身の健康が得られます。また、それが結果的にHolistic Dentistryの一つだと思います。

図.7


図.8


図.8


第5期 崩壊期
 不幸にしてこの期に至った場合、無歯にならないように患者は努力し医院側は協力しなければなりません(図ー6,7,8)。 

1.犬歯と小臼歯の段差
2.咬耗・磨耗・亀裂(歯牙破折線)
3.正中のズレ強い
4.急峻なSpee Curveの出現
5.Anti Wilson Curveの出現
6.上下顎歯列弓のズレ
7.上顎臼歯頬側傾斜
8.下顎歯列弓舌側傾斜
9.上顎前歯のFlare Outによる歯軸の変化・正中離開
10.8番の位置異常 (図ー7)
11..Bruxism
12頬粘膜の圧痕(咬頬癖)
13.舌側面のスカロップ状の圧痕
14.犬歯部付近の側方運動時のガイドの有無とその形態
15.TMD三大症状の出現
16.偏心運動時非作業側(平衡側)の干渉
17.咬合性外傷の発現部位を見つけ、その原因を追究する。(図ー8)
 等を口腔内診査時に精査する。

第6期 無歯期
 この期に至らないように努力しなければなりません。
 
 QOL(動けること・意志を伝えること・咀嚼)の中心はやはり咀嚼と考えます。美味しい物を十分に味わい、その咀嚼刺激が脳を常に活発にし、ボケを防止し、心身の健康を保てるならば、歯科医業は素晴らしい行であります。患者自身がQOLを得るために、患者各自のPDDCプログラム(Personal Dental Desease Contorol Program)を持ち、実行するように開業歯科医は啓蒙、協力して行かねばならないと考えます。

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